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2016年4月30日土曜日

[Review] Pentax K-1 研究1日目、APS-C の K-01、フルサイズの Canon EOS 6D と比較してみる

世の中どうも、風の噂ではタダで製品を配って口コミに載せるマーケティング手法もいまだに横行している様ではあるが、苦しみつつもあくまで「自腹レビュー」にこだわるデジタルベアー・デジカメ研究所、ゴールデンウィークお休み期間中の研究材料として新たに Pentax K-1 を導入した。 

充電作業をしながら、まずは既に持っている複数のデジカメと比較してみる。装着レンズは当方手持ちレンズでは数少ない Pentax K マウント対応の DA 40mm f2.8 XS。極薄パンケーキレンズだが、実はフルサイズでも使えるとのこと。(デジカメ info に、DA 単焦点の中でフルサイズ対応可能なレンズリスト有り。DA ズームレンズはクロップ対応なのでご注意を。)

まずは、本パンケーキレンズがデフォルトで装着されていた、Pentax K-01 との比較。Marc Newson 氏デザインの未来志向デジカメは、カメラ業界でも珍しい APS-C CMOS を備えたミラーレス機。型番に 0 がひとつ入るだけで、トラディショナルな一眼レフデザインの K-1 とは全く違った趣の外観になっている。K-01 やその後発売した K-S1 で従来とは全く違う未来的なデザインを試した結果、再びフラッグシップのフルサイズ機 K-1 ではアナログ機に連なるオーセンティックなデザインに回帰。利用するユーザーの方が、これぞデジイチ、という概念を捨てきれていないから、なのかもしれない。

個人的には、Apple Watch もデザインした Marc Newson が手がけた、ボックス型でポップな K-01 デザインも大好きなのだが、K-1 のどっしりとしたフラッグシップ的威厳が漂うデザインも良いと思う。ペンタ部の大きさが上から見ても際立っている。一方で握りやすいグリップデザインも秀逸だ。今回、K-1 の特徴的操作 UI として加わったのが、二つのダイヤル操作を基本とする、スマートファンクション。これまで必ず背面メニューで設定していた項目のうち、頻度高く設定を変える項目は、ほぼ中央ペンタ部右側のダイヤルと、右端の親指で操作し易い位置にあるダイヤルの組み合わせで操作が可能になっている。直感的に分かりやすく、練られた操作体系となっている。

そして、フルサイズ・デジタル一眼(デジイチ)同士の比較。当方はこれまで、Canon EOS 6D が電池・メモリー込み重量 755g とフルサイズの中では軽いのでずっと愛用して来た。これからも EOS 6D は SIGMA レンズ資産もあるので使い続ける事になるだろう。

Pentax K-1 は EOS 6D と比較し、重量的には装備重量が 1,010g と若干 1kg を上回る。ずっしりと、塊感のあるボディに仕上がっている。ペンタ部のホットシュー位置などのデザインもあるのかもしれないが、同じ光学ファインダーを備えた機種でも、上から見るとかなり異なるデザインに仕上がっているのがわかる。レンズは双方とも、フルサイズ対応可能な 40mm f2.8 レンズを装着してみた。Canon 製 EF レンズも相当小型だが、DA XS レンズの薄さはありえないレベルに到達している。パンケーキレンズ好きとしては、それぞれ捨てがたい。

高さを比べてみると、総質量では 250g 強重いはずの K-1 の方が低めになっている。そのかわり、厚みはスリムな EOS 6D よりかなりある印象だ。背面のフレキシブルチルト式液晶モニター構造も厚みに貢献しているだろうが、低重心のせいか、持ち上げてみると、「本当に 1kg あるのか?」という実感ではある。しかし、1日持ち歩くと、6D との重量差はじわじわと効いてくるはずだ。これについてはフィールドテストで確かめてみるとしよう。通称「ビスケットレンズ」とも称される、薄型で 52g しかない DA 40mm f2.8 XS 単焦点レンズは、重いボディの総重量を軽減させる効果もあって、フルサイズにも対応する、意外に面白い組み合わせである。

星の撮影を本格的に行える GPS / コンパス / アストロトレーサー機能の内蔵、ISO 204,800 の超高感度対応、なんと5段分の補正効果を持つ5軸手ぶれ補正、などなど、Nikon や Canon のフラッグシップ機と比較するとずっと安価な Pentax の旗艦デジイチは、想像を絶する機能の全部入り、である。研究材料として、これ以上のものは無いだろう。連休を利用して少しずつ、その実力検証を続けてみる事にしたい。






2016年4月25日月曜日

[Review] Canon PowerShot G7X Mark II vs G7X、先代より新機種が激しく進化していて驚かされる

満を持して発売された、Canon PowerShot G7 X Mark II。1インチ CMOS を備えた小型ハイエンド・コンデジの中でも大ヒット製品となった G7 X の二代目が、横浜 CP+ での展示を経て、遂に登場した。以前G7 X ユーザーだった当方としても、非常に気になる新機種、早速近所のカメラ店店頭で、その進化ポイントを現場でチェックしてみることにした。

新旧二台を並べて気づくのは、なんとロゴ位置の変更。G7 X のロゴが、先代ではフロント下部に、新機種 Mark II では上部に。同じ機種名を持つ新旧世代間のロゴ位置変更は珍しいのではないだろうか。一方で、Mark II の文字は前面には見当たらず、天井部に薄く記述されているだけである。控えめといえば控えめな、新機種アピール方法。

そして外見上、誰でも最初に目に入る大きなデザイン変更は、グリップの追加。以前の機種でも、当方は両面テープで装着する小さなゴムグリップを取り付けて利用していたので、この変更は嬉しいところ。更に良く見ると、コーナーの面取りが変わっている。狭い丸型のコーナー・デザインが、広めの面取りに変わり、これも全般的な握り易さに貢献しそうだ。エルゴノミクス・デザインが新機種では多く採り入れられた、ということだろうか。この変化に伴い、ボディ表面の材質も変わっている。先代の方が高級感ある素材にも見えるが、Mark II は滑りにくさ、では上と言えるだろう。ぱっと見では以上の変化が施されている事が、わかるが、詳細に眺めると更に多くの発見が。




上から見ると、いくつかまたデザイン変更点が。上記の面取り変化にあわせて、フラッシュ形状は左上角が丸くなる形に。さらにポップアップしてみると、少しフラッシュ位置が前進している。これは発光時の光の蹴られを防ぐ対策なのだろうか。そして理由は不明だが、軍幹部右手に、マイク部分を少し盛り上げる様に斜めの線が引かれた。指先でその下の電源ボタン位置を探すには、良い導線となっている。

更に、当方的には地味な変更なれど一番注目したのだが、右手のモードダイヤル・露出補正ダイヤル設置位置が、新機種では若干後ろ目になっている。ダイヤルのクリック感も、ややスムーズ目となり、親指の腹での回し易さが著しく改善した。フロント部にグリップを搭載したので、後ろの部分の構造は逆にスリム化し、握り易さアップ。これは是非新機種テスト時に触ってチェック頂きたい重要な変化だ。撮影時、最もハイアマチュア・ユーザーが利用しそうな露出補正ダイヤルの使い勝手に大きな改善が加えられているのは有難い。


Mark II の進化はまだまだ続く。先代では上にしか開かなかった背面液晶が、引き出して、下向きにも動く様になった。ハイアングルからの撮影が、これで非常に実行し易くなっている。この改善を行いながら、レンズ先端部までの厚みで比べると、それほど大きくなっていない点は流石だ。ここまで違うと、Mark II というよりは G8 X と呼びたい位の進化があると言って良いのかもしれない。


新旧本体をいじり回しているうちに、もうひとつ大きな変更に気づいた。レンズ下の、この斜めに切られたボタンは何だろうか!?操作してみてわかったのだが、レンズ周囲にあるコントローラーリングのスムーズ / クリックを切り替えるスイッチだった。フォーカスリング的に使う際にはクリック感をなくしてスムーズに。絞り優先モードで絞りを変える際には、あえてクリック感を持たせて。この操作感変更をシンプルに行える機構は素晴らしい。そして、コントローラーリング周囲のローレット(ギザギザ)も、より細かく、高級感のあるデザインに変更されているのである。各所なかなか、芸が細かい。

大きな変更点は以上でほぼカバーしたが、右側面にもマイナーだがデザイン・チェンジを発見。これは、新機種が USB 充電に対応した(ブラボー!)事にもよるのだろうが、USB 部分の端子だけを開けられる別蓋構造になった。利用頻度が多い蓋部分なので、これも良い変更と言えるだろう。そして、その下の WiFi 起動ボタンのデザインが、スマホ・マークから、電波を模したマークに変更。スマホだけではなく、固定 WiFi 基地局につなぐ事もあるだろうから、この変更が正しいのだろう。側面から見ると、控えめな突起に見えるグリップ部だが、その握り心地は非常に良い。いやしかし、よくまあこれだけの改善を Mark II に与えたものである。全く新しい筐体を作り上げた、と断言しても良いだろう。

進化は外見だけに留まらず、勿論中身にも。夜景撮影に便利な裏面照射型の CMOS に変更され、映像エンジンも DIGIC 6 から DIGIC 7 にアップグレードされている。夜景でのノイズ除去能力が向上し、手振れ補正の効きも3段から4段分に。試しに開放 f1.8 の広角端で、先代と新機種 Mark II を撮り比べてみたが、ボケ味の出方も全く違う。これも映像エンジンによるものなのだろうか。それともレンズに多少の変化が加えられたのだろうか。開放絞りでの新機種のボケ味が、あきらかに味わいの高いものに変わっている。これも店頭チェック時には是非 A モード(絞り優先モード)にセットして、確かめて頂き度い部分だ。

そして、実際に撮影してみると分かるのだが、シャッターボタンにも外見だけではわからない大きな改善が加えられている。比較的弱い圧力でシャッターを押し下げても、パシャっと稼働する。半押しの感覚がその分先代より薄くなっているが、このフェザータッチなシャッターボタンは、スナップを連続撮影するには強い味方だ。シャッターチャンスを逃しにくくなる。AF が高速であるからこそ出来る変更であると言えよう。

以上、まずは店頭で目に付いた変更点を探ってみたが、正直驚くほど良くなっている。発表されたばかりで、まだ税込実売7万円台半ばの値付けだが、7万円を切ったあたりで相当人気が出てきそうな予感がする。PowerShot G7 X Mark II という名前の、実は全くの新機種。これにはCanon 技術者のデザイン魂を感じた次第。買って損は無い感じです。




[Digitalbear Lab] SIGMA マウントコンバーター MC-11、キャノン製レンズは Sony α7 ボディで使えるのか!?

変態(良い意味で)カメラ / レンズ・メーカー、SIGMA から、CP+ で発表されたマウントコンバーター MC-11 が遂に発売された。Canon ユーザーは、手持ちの SIGMA レンズ資産を、本コンバーター経由で Sony α7 シリーズなどの E マウント上で活用できる様になる。Sony E マウント・ボディを持つユーザーにとって、利用可能なレンズ種類は、SIGMA レンズの SA マウントも含めてぐっと広がる事になる。ただし、SIGMA のページでは、もちろん SIGMA 製レンズの対応しか記述されていない。

いちユーザーとして気になるのは、「Canon 純正 EF レンズや他メーカーの Canon マウント・レンズは、本コンバーターを介して Sony E マウントカメラ上で使えるのであろうか!?」という疑問。そこで、これはあくまで自己責任の実験であり、SIGMA 社自身は全く動作保証して居らず、また将来的に Firmware 変更などで利用可否が変わる状況はあるとは思われるものの、いくつか Canon マウント対応レンズを接続して実験してみる事に。もちろん、あのライバル・メーカー製の Canon マウントレンズもね(うふふ)。


まずは Canon 純正から。APS-C 用 EF-S レンズは、当然の様に、本コンバーターに接続できず、α7 マウントで活用不可だった。そして注目の EF マウント。24-105mm の L レンズを接続してみると....おおっ!おおお!AF 速い。まるで Sony 純正レンズを使っているかの様な高速合焦。これは十分使える、と判明。いやー、これは嬉しい成果。レンズの付け外しを行う際に押す、マウント横のスライドボタンも使い勝手良し。ナイスデザインである。

しかし、繰り返しになるが、善良な読者の皆さんは決して、こんな実験をしないで頂きたい。他にもきっと Canon 純正 EF レンズ、本コンバーターでちゃんと使えるものが多数あると思うのだけど...(以下略)

そしてやはりやってみるのだ。某ライバル企業、T 社製 Canon マウント・レンズの接続を。選んだのは、評判が良い最新 85mm f1.8 レンズ。これも Canon マウントだし、するする動くだろうと接続...、の、はずが、そうでも無い。どうも動作がぎこちなく、きちんと合焦しない事もしばしば。それはそうだ、SIGMA は自社レンズでの動作しか保証していない。他社製がきちんと動作しなくても、全く問題は無い訳だ。いやー、大人の世界だな。真田丸の「表裏」の秀吉の回を見た直後でもあり、いろいろ考えさせられるものがある(苦笑)。

ということで、良い子のみなさんは決してこんな実験に左右されず、SIGMA製レンズを多数購入して、本マウントコンバーターを最大限、御活用頂きたい、と願う次第です。

SIGMA の新レンズが発売されると、当初は Canon / Nikon マウント用のみで、他社製マウント向け製品の発売が遅れるケースが見られたのですが、これはそのタイムラグを埋める良い策、とも言えましょう。黒川の武将、色々な策を考えて居られる様であります。という自分も、Sony E マウントカメラが欲しくなってしまった次第。策、恐るべし。(笑)









2016年4月24日日曜日

[Review] iPhone SE は高性能エンジン搭載の秀逸な小型車だった

iPhone5s の後は、iPhone 6 Plus, 6s Plus とスマホは大型液晶で見易いファブレットを使い続けて来た。

光学手振れ補正のカメラが内蔵される等、機能的にも最上のものが奢られる大型機が、一番良いと信じて選択して来たのだ。そこへ、Apple が新機種で小型の iPhone SE を登場させる、とのニュース。当初は、自分が使う機種ではあるまい、iPhone 6s Plus に満足しているし、とあくまで自己利用は想定しないモデル、との位置付けだった。

一方、処理速度が遅い iPhone 5 を使い続けて来た長女は、小型ながら 6s シリーズ並みの高速 A9 チップを積んだ iPhone SE の登場を大歓迎。早速通信キャリア系店舗でローズゴールドを予約したのだが、「64GB モデルは、入荷未定で、1ヶ月ほど待つかも」との連絡で、しびれを切らしていた。週末銀座に用事が有り、通りがかった Apple Store で聞いてみると iPhone SE SIM Free モデルが、残っている在庫の色は限られるが入荷していると!30分ほど短い列に並んで、無事にローズゴールド 64GB を手にいれる事が出来たのだった。

Apple Store には数日毎に SE が入荷しているとの事で、急ぐ向きには SIM Free で良ければ Apple Store で手にいれるのが早道である。ちなみに、その後価格改定で iPhone SE も値下げとなったが、購入が価格変更発表から2週間以内だった為、再び店舗を訪問して、無事に1台当たり 5千円の Refund を受ける事が出来た。

家に戻り、長女の iPhone SE セットアップを手伝いながら、その速度感やカメラの精度を確認。うむ、うむむ!?これ、結構良いでは無いか。iPhone 6s シリーズと比較し、フロント・カメラの画素数が小さかったり、4インチ液晶上の QWERTY キーボードでは大きな指では打ち間違いが生じたり、最大メモリ容量は 64GB だったり...という些細な問題はあるが、久しぶりに iPhone 6s Plus に慣れた手先でハンドリングして見ると、シャツのポケットにも違和感なく収まる小型さ、片手で操作していて疲れない軽さ、電話をかける時のホールディングの良さ、...ああ、iPhone 5s 時代はこれだったよね、とじわっと思い出されて、良いのである。

例えれば、ずっと大型車志向で車に乗ってきて、はっと小型車の良さに気がついた時の感覚に近い。あれもこれも、と欲張るうちにどんどんボディは肥大化、機能強化されてきたが、本当にそれを使いこなしているのだろうか。大型の画面は、写真や動画を見るには具合が良く、その点はファブレットの Plus に利点があるのだが、新機能の押し込む感覚が得られるフォースタッチ液晶にしても、結局はあまり活用出来ていない。処理速度が同じエンジンを積んでいるなら、より小型な SE でも良いのでは、と、背面カメラのクオリティも確認して、機種移行を悩み始めた。オンラインで購入をポチってみては、でもやはり Plus のままでメイン機は良かろう、とキャンセルする、の繰り返しを2度ほど。しかし入荷には2−3週間とある。もやもやと悩んでいたが、Apple Store 銀座に電話してみると、また iPhone SE が入荷したとの連絡が!!



これはもう、入手せよとの林檎神からのお告げであろうと覚悟して、いそいそと銀座神社に参拝し、お布施。ゴールド 64GB の iPhone SE を手にいれた。最近は SIM Free 機ばかりを導入しているので、その後の移行設定も慣れたもの。あまり利用していないアプリを断捨離して、軽量な端末に軽量なアプリ群、という再構成は無事完了。

まだ導入後数日だが、同じ A9 チップを使っているということで、使っていて不足はほとんど感じられない。むしろ、常時携行が小型軽量で楽になったメリットばかりが際立つ。何を迷っていたのだろう、と自問するほど、具合が良い。


そういえば、最近乗っているクルマも、ターボエンジン搭載の小型車。高速道路走行でもうちょっと回って欲しいと思う事はあるものの、都内での普段使いには十分だ。


iPhone SE + A9 チップの組み合わせは、それに似ているのかもしれない。将来の iPhone 7 や 8 で、圧倒的な魅力を持った革新が為される迄、小回りの効く SE で、気軽に、自在に走り回る事としよう。







2016年4月1日金曜日

[速報] フジヤカメラ店、荻窪カメラのさくらやと合併交渉を開始か

 これは中央線カメラ業界震撼のニュース。びっくりぽん。

「昭和初期開業の老舗カメラ店、「フジヤカメラ店」(通称「フジヤ」、東京都中野区五丁目)が、「荻窪カメラのさくらや」(通称「おぎさく」、杉並区上荻一丁目)との合併交渉に入っている事が明らかになった。1日早朝、フジヤ前に並んだバイヤー(国籍不詳)が店前のゴミ袋の中から本交渉に関する秘密文書を偶然発見し、明らかになったもの。

同文書によると、合併交渉は両社社長により、2017年春の CP+ 開催前の交渉締結を目指して居り、フジヤ横のルノアール、おぎさく近くの荻窪珈琲店などで複数回、極秘裏に行われている。中野駅周辺再開発計画に大規模な駅ビルも含まれる可能性があることなどから、大規模カメラ量販店の出店可能性などを懸念したフジヤ側から、おぎさくに対し合併要請を行った模様。

中野区の大型商業施設「中野ブロードウェイ」内で音響・映像機器専門店のフジヤエービックや、ロレックスなど高級中古時計を扱うジャックロードなどを姉妹企業に持つフジヤグループと、荻窪で2店舗を展開、1971年「新宿さくらや」から暖簾分けされたおぎさくは、中央線沿線を代表する2大独立系新品・中古カメラ専門店。合併が実現した場合、これまでのフジヤの本拠地中野区、おぎさくの地元杉並区といったテリトリーを超えた事業拡大が期待されるとして、業界関係者からも注目を集めている。

極秘資料によると、話し合いは順調に進んで居り、ネットの波に押されて4月3日閉店予定の中野ブロードウェイ3階 CD/DVD 専門店レコミンツ跡地におぎさく新店舗、通称「なかさく」開店を検討中である他、荻窪の有名ラーメン店街近隣に、カメラ・レンズ製造の SIGMA 社(本社神奈川県川崎市)との提携による新業態、「フジヤカメラ dp (digital pod の略)」設置が検討されているという。dp の詳細を同社に問い合わせたところ、「カメラ愛好家に人気の高い猫カフェとの複合業態だが、他カメラ流通へも配慮せねばならず、現時点ではノーコメント。詳細を知りたい場合は黒川本社まで直接お越しください。その場合は、山に入るトレッキング装備をお忘れなく。(広報室)」とのことで、合併交渉関与への言及を避けている。

尚、本合併交渉の内情を知ると見られる、写真家の三井氏に意見を求めたところ、「中央線沿線でも活発になりつつあるフォト・ウォーク中に立ち寄れる場所が増えることで、散歩写真愛好家の増加にプラスの影響があるのでは(談)」とのことで、合併後の副次効果として、今後の中央線ぶらぶら文化振興への顧客期待感も高いことを窺わせた。

一方で業界専門家によると、両社の中古カメラ、レンズの査定手法には独自の店外不出のノウハウがあると見られ、その方法に関して一致点が見出せるか、が交渉の行方を決めるものと思われる。」

(写真実話4月1日号:記事詳細はこちらのリンクで)