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2004年12月28日火曜日

梅田さんが考察する、Google の歴史的役回り

CNET Japan に連載の梅田さんのブログ、英語で読む IT トレンドからの最新記事から。 「Google の歴史的役回り
" 本欄でしつこいほどにGoogleのことを書いてきたのはなぜか。それは、Googleという会社が、「1990年代初頭におけるMicrosoftと Intelのような役回りの会社」の現代版に違いないからで、そういう会社が水面下からぐっと我々の目の前に浮上してくるのは、産業全体が大きく動く前触 れなのである。"
梅田さんが、当方と同じ事を感じて居られるという事が良くわかりました。当方が年末のあわ ただしい時にあえて動く決断をしたのも、この部分が大きな理由ですね。Wintel が PC の基本コンポーネンツや OS を提供して来た様に、Google は、Internet 時代の基盤となる様なソフトウェア、アプリケーションを精力的に開発して来ている、という事なのでしょう。

2004年12月24日金曜日

Six Apart、Blogger の Founder が People of the Year 受賞

米 Six Apart 社の Ben と Mena夫妻、そして Blogger サービスを開発した Pyra 社(2003年、Google に統合)の Evan 他の Founder 達が米 PC Magazine 誌の People of the Year を揃って受賞。Six Log の Anil の Entry から。Anil によると、Ben と Mena は Google の Founder 達とともに、2月半ばのアリゾナでのDEMO@15イベントで、 15 World-Class Innovators にも選ばれていますね。前職の Neoteny 時代、仕事をともにさせて頂いたシリコンバレーの新世代若手起業家達の受賞は、個人的にも、非常に嬉しい出来事でした。心から、お祝いの気持ちをお伝えしたいと思います。 (Ben, Mena そして Evan の写真は、当方の Blog Entry 史上最もアクセスがあったこちらの Palo Alto での Party の写真で どうぞ。革ジャンで腕組みした Scripting News の Dave と話している Ben と ピンクのワンピース姿の Mena の写真は当時の RSS 論争の中、当方が予想もしない大きなインパクトを持っていた様です。黄色のジャケットを着て目立っているのが Evan ですね。Joi と歓談中。)

振り返ると2004年は、Six Apart の MovableType TypePad、そして Pyra/Google の Blogger が米国でも一般への浸透度を高め、シェアを更に伸ばす飛躍の年になったのではないかと思います。上記 PC Magazine の記事では Technorati にも触れていますが、来年はこの様な各種 Blog Publishing Service の充実により急増した Blog Author 達、そして更にその周囲に居る何倍もの Blog Reader 達のニーズを満たす「Blog 周りの新サービス」を開発、提供するベンチャーにもスポットが当たる事になるのでしょう。Bloglines 等 Feed Reader を ASP 型で提供するサービスも見逃せません。そして Social Networking Service や Wiki 等、Social Software の新しいフロンティアを広げる活動をしている新興ベンチャー企業群も、更に注目されるはずです。日本国内でも、米国での動きに合わせて、デジタルガレージ社と Joi のコラボレーションによるテクノラティジャパンが来年1月に立ち上がるというニュースが最近、聞こえて来ています。

2005年は Blog 周辺サービスが活況になる、面白い年になる事は間違い無さそうですね。最近発表があったニフティのココログとはてなの期間限定コラボレーションの様な、良きライバル企業同士が切磋琢磨をしながらの共生も、成長するサービス事業者間で更に多く見られる様にもなるのでしょう。

さ て、私事にて恐縮ですが当方も、来年1月からは本分野でのビジネス活性化の一助となれる様、新たな挑戦をする事になりました。東京とシリコンバレー、二つ の拠点をリアルタイムにつなぐ様な仕事になりそうです。シリコンバレーの方々とは、最近すっかり御無沙汰してしまいましたが、来年は時々お邪魔する事にな るので、またお会いしたいと思っています。

この1年間、京橋・丸の内を拠点とする Venture Capitalist としての活動を行う中で、様々な形で成長を遂げた投資先の関係者、親身のアドバイスを頂戴した多くの友人、そして暖かい目で送り出して頂けた同僚の皆様方 に、この場を借りて改めてお礼を申し上げたいと思います。本当に、有り難うございました。そして今後とも末永く、宜しくお付き合い下さい。

2004年12月14日火曜日

Dan's interview article with OhmyNews (Korea)

Joi の Blog で発見。Wikinews に行くのでは、という当方予想は、全く見当違いでしたね。(笑) 結局彼自身の Citizen Journalism プロジェクトに関しては具体的に語っていませんが、もう少しマクロな視点からの Q&A で気になったものが2つ。 OhmyNews Technology : What's Next for Dan Gillmor?

Q) OhmyNews has sometimes been attacked on the issue of the accuracy of citizen journalism. How would you address that issue?

A) I think people who want to do journalism have some responsibility to be accurate and if they're not, they run the risk of being ignored. I think the best thing to do with inaccurate journalists is to not pay any attention to them. But there's also now more responsibility on the part of the reader to be somewhat more skeptical about what they read.

Q) What do you think about the future of the newspaper? Will it disappear?

A) Well, eventually, sure. I assume that we will have electronic displays that will be very high resolution, without flicker, to replicate the very best of the page, of print, which is really a wonderful form factor. I love books and like magazines, I like newspapers. We're going to get eventually a kind of handheld thing that is easy and pleasant to read as paper is in our hands today -- with a lot of things that will make it better, in some ways.  (中略)

A lot of where we're going is kids today using video and audio in ways we could never contemplate --  and SMS is a media of its own -- so we have a lot to learn. Us old guys are learning a lot from younger people about it works.

当方も最近そういう思いを強めていますが、子供たちのメディア消費行動を見ていると、メディアの未来が良くわかりますね。今話題の PSP も、将来ソフトウェアとネットワークの Update によって、携帯メディアのひとつになって行くのかもしれないですね。

"The Alpha Bloggers"

Ad Innovator : アルファブロガーの台頭 で知った、Newsweek Tech Writer の Steven Levi の記事、"The Alpha Bloggers"。(MSNBC 経由)

"alpha bloggers" have built large and influential audiences. The bloggers who follow technology consist of a particularly evolved community. The alphas, or "A-listers," as they call themselves, commonly cross-link to one another, with the effect of having one of their comments amplified and commented on. In the case of podcasting, the accumulated buzz from the blogs became deafening. The subject suddenly became the hot topic in geekdom, and soon appeared in The New York Times and BusinessWeek.

The lesson is that there's a new force—spearheaded by people who work for no bosses and whose prose never sees an editor's pencil—that provides the water-cooler fodder for the larger high-tech community. Its power extends not only to high-tech cool-hunting but also to what's politically correct, geek style. (Open source... gooood. Onerous copy protection... eeeevil.) And the significance of this phenomenon has some important implications for the way opinions will be formed in the decentralized world of Internet media.

2004年12月13日月曜日

写真 SNS flickr のジャーナリズム効果

Hotwired に、flickr 利用者が一番最初に事件写真を見た、という記事が。写真をベースとする SNS (Social Networking Service) の効用は、こんな意外な部分にも有りましたね。Tag と呼ばれる flickr ユーザー自らが設定する Keyword 機能により、flickr は最も手軽な国際草の根ジャーナリズムにもなり得る、と。なるほど。 Hotwired : ブロガーに人気の写真共有サイト『Flickr』
 9月にインドネシアのジャカルタで爆破事件が起きたとき、最初にそれを知ったのは『CNN・コム』の読者ではなかった。オンライン写真サービス『Flickr』(フリッカー)のメンバーの方が、かなり早い時期から事件の写真(写真)を見ていた。 「Flickrが写真を掲載したのは、どんなニュースよりも先だった」と、Flickrの共同設立者であるキャテリーナ・フェイク氏は語る。「たまたまジャカルタにいたFlickrのメンバーが、1時間もしないうちに写真をアップロードしたからだ」
ということは、当方が昨日 flickr にモブログ投稿していた Sony PSP 購入迄の写真ドキュメントも、本件に関する世界初のリアルタイム・ニュースだった可能性もありますね。(笑)

Dan Gillmor 氏の市民ジャーナリズムプロジェクト

Dan の San Jose Mercury News 退職のニュースを、ほぉ、と注目していたら、Sotto Voce さん経由で付加情報を発見。特に Scripting News の Dave による、Dan の Internet+Society 2004 での席配置に注目した記述が面白い。そうか、Joi のボストン行きの理由は、これだったのですな。 Sotto Voce さんは Dan の行き先類推をされて居らず、当方もどうしようかと思いましたが、勝手予測をすると、Dan 自身がブログで触れていた WikiNews 関連か、Joi と関係が深い Technorati とのからみだったりしないでしょうか。ちょっと違うかな。(笑)いずれにせよ、Dan の様なしっかりとした独立系ジャーナリストが新しいプロジェクトを起こす事には、注目が集まりそうです。日本でもブログ・ジャーナリズムに大きな関心が集まりつつありますが、Dan のプロジェクトが今後の方向性を具体的に示すショウケースの一つになるのでは無いでしょうか。要注目ですね。

2004年12月12日日曜日

UMD/802.11b 規格に見る Sony の PSP 戦略

iPod が普及し、iTunes Music Store が流行ると Sony が Walkman 以来築いて来た携帯 AV 機器市場での王者の地位がゆらぐ... というシナリオを語りたがる人が最近多いし、自分もそれに共鳴する部分が多かったが、今朝苦労して手に入れた Sony PSP (Play Station Portable) の UMD Demo ディスクで、美しい映像を見せられてこのシナリオを疑う姿勢も重要かもしれない、とふと気付かされた。 Sony は従来の Walkman の延長線上で MP3 対応など技術の Open Standard 対応を達成する事で蘇るのでは無く、PSP をベースとする独自の UMD ROM のコンテンツビジネスでの再生、技術囲い込みビジネスを今後更に強く志向する事で王者に返り咲こうとしているのかもしれない。 ソニー・コンピュータエンタテインメント社長兼CEO、久夛良木氏の今年8月のインタビュー記事からは、ソニー復活へのヒントが多く見え隠れする。ソニーは、コンテンツ戦略においては独自開発で尖った UMD、での復活を狙っている事が理解出来る。 PC Watch : 後藤弘茂の Weekly 海外ニュース・久夛良木健氏が語る次世代携帯ゲーム機「PSP 」の本当の狙い
単 体の携帯ゲーム機として見ても、PSPはパートナーにとって魅力的なはずだ。携帯機であれだけの3Dグラフィックスパワーを使ったゲームを作れる だけで楽しいだろう。曲面(サーフィスのサポート)だけでも無茶苦茶面白い。だから、まずゲームで基本的なベースができると考えている。

 その上で、(コンテンツが)セキュアであることをきちんと説得できれば、映画にも広がる可能性が大きいと考えている。コンテンツを作る側から見ると、今、DVDは頭打ちだ。次のブルーレイを待つよりも、すぐにお金が欲しい。そうすると、PSPへと広がる可能性が大きい。

そ う、PSP は携帯 PlayStation という位置づけだけではなく、独自規格の UMD ディスクのデファクト・ショウケースとしての役割をも、担っていたのである。PSP を単なる携帯ゲーム機でしょ、と考えるだけではいけないということに、本物に触れて気付いた。ゲームに全く興味が無い当方の70歳を越える年齢の父も、携 帯映画プレイヤーで定価約2万円の本機に、デモを見せるとすぐに、強い興味を持った。となると PSP は、子供だけに使わせるのはやはり、もったい無い。 そして、UMD 普及の次に Sony が PSP で狙うもの、それはやはり無線 LAN によるコミュニケーション・ツールとしての位置づけ、だ。
PSP は、たくさんのことができる“汎用のウォークマン”。何でもかんでも入る。例えば、技術的には、IEEE 802.11無線LANを入れれば、VoIP(ボイスオーバーIP)で電話ができるという話になる。そのうち、ラインナップとしてカメラを用意するかもし れない。そう考えたとき、エンターテイメントコンテンツを楽しむだけでなく、個人にとって見ればコミュニケーションツールにもなる。

 コミュニケーションを考えたらウォークマン以上。そのうち、PSP以降に、Cellの時代になったら、家の中にホットスポット、スターバックスにもホットスポット、会社にももしかしたらホットスポットとなって、PSPがどこでもつながるようになる。

こ ちらは一転、Standard Technology に準拠する戦略だ。確かに、Internet を基盤とするコミュニケーション技術の世界では、独自性を打ち出しすぎると孤立してしまう。こちらではむしろ Nintendo DS 等より Internet friendly な部分を打ち出す事で、Internet につながる携帯端末としてのデファクトの地位も一挙に確立しようとしているのだろう。 どの企業にも真似出来る戦略では無いが、新しいメディアによるコンテンツビジネスはあくまで独自路線、コミュニケーションは標準技術路線、これが当面、PSP を基盤とする久夛良木 Sony のビジネス戦略になるのだろう。 その他、参考となるリンク

SCEI 茶谷 CTO インタビュー (PC Watch)

SCEIに聞く、PSPのAV機器としての性能とは? (AV Watch)

(開発研究本部 ネットワークシステム開発部 部長 川西 泉氏)

PSP専用から標準ビデオ用メディアへの脱皮を目指すUMD (PC Watch)

2004年12月6日月曜日

Forresterのアナリストによる MSN Spaces 評価 ~ ブログは Publishing から Communication 機能強化へ

Scripting News のエントリから、発見。 Forrester Research の Principal Analyst、Ms. Charlene Li による Media/Marketing を変革するTechnology 考察ブログ(お、これは TypePad だ。)から。MSN Spaces をテストしてみた結果、email や IM との Communication 部分の統合機能が良く出来ている、という評価。 "MSN Spaces will make blogs communication tools"
Today, only 2% of all online consumers in the US have a personal blog. MSN Spaces is Microsoft’s attempt to bring blogging into the mainstream. (中略)From what I see, MSN has succeeded in creating a very solid, innovative communication tool.
確かに、オンライン先進国米国でも、ユーザーの 2% しか利用していないブログをメインストリーム・プロダクトに昇格させるには、Communication Tool としての Brush-up が更に必要。Publishing Tool としての機能も先進ユーザーには重要だが、これを本当に必要とするユーザーだけにフォーカスすると、より大きなマス市場を見誤る潜在リスクがある。 MSN の既存コミュニケーション・サービスとの融合の巧みさを体感した上での、Charlene が見る Blog の将来像は、以下。
There’s heavy integration of Spaces into the whole MSN communication suite of email and instant messaging. I think this is very smart, especially as MSN hopes to attract a new audience group to blogging. The next wave of bloggers is going to look very different from today’s blogger – their motivation will be on sharing experiences rather than having a place for their ideas and opinions. The integration puts the blog in context of other communications, such as email and IM.
一方、本件とは別の視点で、MSN Spaces に Blog Community の注目集まっている。CNET UK / News.com の記事から。米国の先週、BoingBoing が、MSN Spaces では特定単語が検閲を受けている事を発見した事で騒動が拡大中。 MSN bloggers try to foul up censorship tool (CNET Japan による日本語記事は、こちらに。)

2004年12月1日水曜日

5ヶ月毎に倍増するブログ数 - Technorati の調査から

Technorati CEO David の調査によると、ブログの数は1年半前から5ヶ月毎に倍増中。現在は400万程度のブログがある、と。Silicon Alley Reporter 元編集長の McCabe Calacanis 氏によると、
「Blog の数は数百万だが、定期的に更新されるのは100万未満だろう。 Blog 利用者は人口の1%未満だが、利用者は今後5年間で増加し、今日のメールユーザーの何割かに達するだろう」と述べている。 同氏は、 2009年までに一般的なメールユーザーの5割に達するとの強気な予測。
Japan.internet.com : 数字に見るブロゴスフィア - Blog トレンド調査、より。 この前に書いた、韓国でのメールから Blog へのトラフィック移行と、重なる部分が多いですね。 一方で、ショックを受けたのが、この記事の末尾にある、ブログ作者の年齢構成調査。40歳以上の合計は、わずかに 1.7%.....同年代にブログを書く事を勧めても、本当に始める人は確かにごく少数。一旦始めても、継続できる人は更に稀。うーん、なんとなくそうかな、とは思っていたが、ちょっと悲しい調査結果だな、40歳男としては。それにしても米国では、10代のブロガーが非常に多いですね。このあたりは日本市場とまだ差がある部分でしょう。

citizenwear.com? Evan が新しいプロジェクトのアドバイザーに

EVEHEAD より、Evan の友人が Bay Area で Ruby 言語の Rails フレームワークやデータベース技術に強いエンジニアを募集しているとのニュース。ヨーロッパ旅行を経て、Evan もそろそろ次の構想に入っているのかな?とりあえずは外部アドバイザーとして手伝っているだけにも見えますが。どうなのでしょう。 いずれにしても、再始動のとっかかり、という事なのでしょうか。 EVEHEAD : Web Developer Needed (in/around SF)

米国オンライン辞書検索語トップは「blog」

IT Media の、今年最も辞書検索された用語は「ブログ」という記事から。

辞書出版社のMerriam-Websterは、オンライン辞書で今年最も検索された用語のトップ10を発表した。今年を象徴する用語として1位に立ったのは「Blog」。

「ブログ」という言葉が今年になって頻繁に聞かれる様になった日本でも、「ブログってつまり何?」という質問を良く受けますが、米国でも実はまだまだわかっていない人が多い、という事ですね。そして、「ブログ」ほど、人によって説明・定義が異なるものも無いのかもしれません。その柔軟性を知れば知るほど、今後の「ブログなるもの」の多様な進化を色々想像出来て、面白い訳ですね。